第5章 名詞と形容詞の語尾変化

ドイツ語では、文中で名詞や形容詞がどの格で用いられているか、またその名詞の性や数によって 語尾が多用に変化します。

☆名詞の語尾変化

Sie können durch die Schublade des Tisch(e)s zu verschiedenen Zeiten gehen.
◆彼らは机の引き出しからさまざまな時代に行くことができます。
Sie wird nervös vor dem Älteren und spricht in abgerissenen Sätzen.
◆彼女は先輩の前ではあがってしまい、支離滅裂な話し方になってしまう。

上の例文では、男性名詞 Tisch(机)が die Schublade(引き出し)を所有しているもので あることを示すために2格で用いられています。
男性名詞と中性名詞は、それぞれ2格で用いられるとき、名詞に -s または -es の語尾が つきます(ただし、-en, -n, -ns などの例外もあり)。 これらは大抵、辞書の見出し語の隣に、(2格で用いられたときの語尾)/(複数形) のような形で示されていると思います。

-(e)s のような形で -es/-s 両方の語尾が許可されている名詞に関しては、 普通の会話や書き言葉ではたいてい -es のほうが使われるものだと思ってください。
この場合の -s はあくまで du で呼び合うような親しい仲の人間とくだけた会話をする際に 語調が崩れてできるものであり、Sie で呼び合うような相手に -s の語尾をつけると 「このひとは話し方がなっていないな」と思われてしまうことがあるかもしれません^^;

また、下の例文のように、複数名詞が3格で用いられている場合、必ず語尾に -n が付きます。 (もともと n で終わっている複数名詞、または複数形が -s である外来語などには付きません)。

女性名詞では名詞の語尾変化は起こりません。

☆形容詞の語尾変化

Das sind vollkommene Werke, außer dass nur für Erwachsene das sind.
◆それらは成人向けであるという点を除いては非の打ち所のない作品である。(強変化)
Er hat es unwillkürlich wegen der Gewohnheit gut geschüttelt und ist von sprühendem Wasser angegreifen worden.
◆ついいつものノリでよく振ってしまったので、彼は噴き出した水に襲われてしまった。(強変化)
Sie denkt an den Seestern und reist zur anderen Welt.
◆彼女はヒトデのことを考えると別の世界にトリップしてしまう。(弱変化)
Ich will die faule Leiche zum Kamerad nicht machen!
◆腐った死体なんて仲間にしたくありません。(弱変化)
Mein ruhiges Leben ging, nachdem der Übertragungsschüler gekommen war.
◆その転校生が来てから、俺の平穏な日々は姿を消してしまった。(混合変化)
Mach kein solches trauriges Gesicht!
◆そんな悲しい顔をしないで。(混合変化)

0章「導入」でも少し説明しましたが、ドイツ語の形容詞はフランス語とは違って、 名詞の前に置かれてその名詞を形容するとき(このことを「付加語として用いられる」と言い ます)にのみその形が変化し、述語や副詞として用いられる場合には語尾変化は起こりません。

形容詞が付加語として用いられる場合、名詞に冠詞類が付かない場合 に起こる「強変化」、定冠詞が付く場合に起こる「弱変化」、不定冠詞や所有冠詞が付く場合 に起こる「混合変化」の3種類があります。

強変化をする形容詞は、直前に冠詞がつかないため、その形容詞自体で名詞の格を示そうと するので、しっかり区別のついた変化をします。
事故で彼女(冠詞)を失くしてしまったから、俺が彼女の分までしっかり生きてやらなきゃな、 と心に誓う純情派の主人公(形容詞)のような心境ですね(何

<形容詞の強変化>
男性… 1格 -er/2格 -en/3格 -em/4格 -en
女性… 1格 -e/2格 -er/3格 -er/4格 -e
中性… 1格 -es/2格 -en/3格 -em/4格 -es
複数… 1格 -e/2格 -er/3格 -en/4格 -e

弱変化では、直前に定冠詞があって、その定冠詞が格を示す役割を担ってくれているため、 後にある形容詞の変化が上の強変化よりも曖昧になります。
授業のノートも幼馴染みに写させて もらえるし、弁当も幼馴染みが作ってくれるし、勉強も幼馴染みが教えてくれるし、 なにか鬱憤が溜まったときの夜の活動も…と幼馴染み(定冠詞)に依存する主人公(形容詞)の ような性格ですね(何

<形容詞の弱変化>
男性… 1格 -e/2格 -en/3格 -en/4格 -en
女性… 1格 -e/2格 -en/3格 -en/4格 -e
中性… 1格 -e/2格 -en/3格 -en/4格 -e
複数… 1格 -en/2格 -en/3格 -en/4格 -en

混合変化では、不定冠詞や所有冠詞が男性1格・中性1格・中性4格の場合に無語尾変化(例えば ein の場合はそのままの ein の形)をしますが、その場合にだけ形容詞に強変化が起こり、 それ以外の性・数・格の場合は不定冠詞や所有冠詞に支配されて形容詞は弱変化になります。
主人公(不定冠詞・所有冠詞)がマヌケヅラ(無語尾変化)をしたときには 性格がトゲトゲしくなる(強変化をする)が、主人公がカッコよく、 紳士的に見える(語尾変化をする)ときはデレデレしてしまう(弱変化をする)ツンデレ娘 のような性格ですね(何

<形容詞の混合変化>
男性… 1格 -er/2格 -en/3格 -en/4格 -en
女性… 1格 -e/2格 -en/3格 -en/4格 -e
中性… 1格 -es/2格 -en/3格 -en/4格 -es
複数… 1格 -en/2格 -en/3格 -en/4格 -en

ぽいんと、だよ。

ドイツ語では、形容詞は

  1. 名詞の前に置かれて付加語として使われたり
  2. sein やwerden などの動詞の述語(コプラ)になったり
  3. 副詞的な意味になったり
するけど、このうち1)の場合にだけ語尾が変化するんだよ。

  1. Sie hat den zarten Körper. 彼女は華奢な体を持っている。
  2. Ihrer Körper ist zart. 彼女の体は華奢だ
  3. Die Straßenlampen leuchten zart. 街頭が淡く光っている。

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