Chapitre.21 - 関係代名詞 (1) Pronom Rélatif 1.

1. Le nouveau membre qui ne peut pas boire est mort de l'alchoolisme aigu dans la réception.
そのお酒の飲めない新入部員は歓迎会の折に急性のアル中で逝ってしまった。
2. Trouve moyen d'arranger cet organisme qui a une mauvaise odeur.
そのクサイ生き物をなんとかしてくれ。
3. Elle se donne avec beaucoup de dévouement à qui l'ordonne.
彼女は自分に命令するひとに対して真心を込めて奉仕する。
4. Le maître à qui elle se donne fait violence à elle quand elle commet une faute.
彼女が奉仕している御主人様は彼女が失態を晒す度に暴力を振るう。
5. Le colonel envers qui il a eu la plus grande admiration, ce n'est pas qu'il était.
彼が最も敬服していた大佐は、今はもうあのときの大佐ではなくなってしまった。

◆関係代名詞 qui

 関係代名詞 qui は、先行する人や物などを示す名詞が行う動作の内容やそのものの性質についての説明を付与する
ために、先行する名詞(先行詞といいます)と以後の説明の間に置かれる品詞のうちの1つです。
 この qui は用法によって先行詞に人を示す名詞して用いることができないのか、物を示す名詞も用いることができ
るのかが複雑なので、用法と照らし合わせながら規則をきっちりと覚えていく必要があります。

 まず、例文1.を見てみましょう。
 qui 以下が説明する内容(これを関係詞節と呼びます)の先行詞は le nouveau membre とあります。これは通常
名詞ですが、示しているものは物ではなく人間ですね。
 なにはともあれ「新入部員」という名詞が文の冒頭で漠然と置かれます。しかし、それだけではどのような新入部
員であるのか、新入部員といってもそのサークルの活動内容に精通している人、運動系サークルならムキムキマンも
いるでしょうし場違いなほど痩せこけた人もごく稀には居るでしょう。
 そういった、先行詞の性質や動作などをこれから説明しますよ、と宣言するためのいわば掛け声のようなものが関
係代名詞であり、ここで紹介する qui もその一つとして数えられます。

 例文1.の関係詞節を見てみると、
qui ne peut pas boire
 となっています。boire は目的語を取らない場合、英語の drink と同じく「お酒を飲む、飲酒する」という意味
になるので、可能の準助動詞 pouvoir の否定形と結び付いて「お酒が飲めない」となります。この性質の説明が、
qui の直前に置かれた先行詞にかかっているので、「お酒が飲めない(という性質を持った)新入部員」という解釈
ができますね。以上の関係を図式化すると、

Le nouveau membre qui ne peut pas boire
↑__________|
 このように表すことができます。文全体ではこれが一かたまりの主語と見なされ、
Le nouveau membre qui ne peut pas boire
↑__________|
est mort de l'alchoolisme aigu dans la réception.
文の主語
(先行詞+関係詞節)
文の主語が導く動詞など残りの文要素
 と考えることができます。つまり、関係詞節の中にも動詞が、一かたまりになった文の主語の外にも動詞があるの
で、それぞれの動詞の主語を把握することも関係代名詞を用いた文においては重要なことなのです。(この例文では
先行詞+関係詞節が主語になっているので2つの動詞 ne pas pouvire boire と mourir の主語は一致しますが、
先行詞+関係詞節が目的語になった場合などには注意が必要です)。

 

 次に、例文2.に移りましょう。先行詞はほとんどの場合 qui の直前に置かれるので(強調的な挿入句を挟む場合
は直前に置かれないこともあります)、この場合の関係詞節の先行詞は cet organisme です。今度は先行詞が人間
ではなく物になっていますね。
 qui が先行詞の動作を従える場合、つまり先行詞が主語となり、関係代名詞 qui が置かれ、次に動詞が来る構文
では、先行詞は人を表す名詞でも物を表す名詞でもよいという決まりがあります。

 また、例文2.では先行詞+関係詞節で作られる一かたまりの要素(以後、この要素のことを関係詞句と呼びます)
が動詞 arranger の目的語として扱われています。例文1.のように図式化してみると、

  Trouve moyen d'arranger
cet organisme qui a une mauvaise odeur.
↑__________|
 
  文の目的語を除く残りの文要素 文の目的語
(先行詞+関係詞節)
 
 のように考えることができます。この場合、文中に2つある動詞の主語は trouver が tu(話し相手)、関係詞節
の中の avoir が先行詞である cet organisme と異なりますので注意してください。

 

 続いて、例文3.は関係詞句の先行詞が明示されないパターンで、「〜する人」「〜という人」という訳され方をし
ます。この場合の構文では、物についていうことは稀です。

 実はこの構文では、先行詞が始めから明示されていないという訳ではなく、もともとの先行詞は指示代名詞の ce
であり、第7章「指示形容詞と指示代名詞」の「無変化指示代名詞」のコーナーで蛇足で説明した ce qui の ce が
省略されることによってできた構文だと考えることができるのです。
  Elle se donne avec beaucoup de dévouement à
(ce) qui l'ordonne.
↑______|
 
  文の目的語を除く残りの文要素 文の目的語
(先行詞+関係詞節)
 

 

 次の例文4.は内容が例文3.とよく似ていますが、構文自体は似て非なるものです。
 少々ややこしいですから、まずは関係詞句の先行詞を文中から探し出すことから始めてみましょう。先行詞は関係
代名詞 qui に必ず先行するので、qui 以前に置かれている名詞を探してみると le maître(御主人様)しかありま
せんね。これが関係詞句における先行詞になります。

 次に、この先行詞の内容を説明する関係詞節はどこまでかを見定めると、動詞 se donner の直後に同じく動詞の
faire があることから、この間までだと推測できると思います。
 ここで改めて se donner という代名動詞について調べてみると、例文3.にもある通り se donner à (人) の形で
「(人)に奉仕する、尽くす」という意味を示します。このままの形で関係詞節を作るなら、
qui elle se donne à
 となりますね。しかし、関係詞節が de や à などの前置詞で締め括られるのは見た目にも気持ちの良いものでは
ありませんし、語調的にも中途半端なものだとされます。そこで、関係詞節のトリを務めることになってしまった前
置詞 à を qui の前に出して à qui とし、関係詞節を動詞で締め括ることによってメリハリのある語調を実現し
ようとしたものがこの構文です。同じように、例文5.も形の上では同じ規則に従い、関係詞節のトリをやむなく務め
させられてしまった envers という前置詞を qui の前に割り込ませることで語調を整えています。
 例文4.と5.について、これまでのように図式化しておきましょう。
Le maître à qui elle se donne
↑__________|
fait violence à elle quand elle commet une faute.
文の主語
(先行詞+関係詞節)
文の主語が導く残りの文要素
Le colonel envers qui il a eu la plus grande admiration
↑_______________|
, ce n'est pas qu'il était.
文の主語
(先行詞+関係詞節)
文の主語が導く残りの文要素
 これら例文4.や5.のように、qui の後に先行詞とは異なる主語とそれに導かれる動詞などが置かれ、先行詞が目的
語として扱われる場合には先行詞は人を表す名詞に限定されるので注意してください。

 

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L'étoile que vous avez vue peut être le signe de la mort.
あなたが見たその星は死の標(しるし)かもしれません。

◆関係代名詞 que

 関係代名詞 que は、先行する人や物などを示す名詞が行う動作の内容やそのものの性質についての説明を付与する
ために、先行詞と以後の説明の間に置かれる品詞のうちの1つです。
 先に説明した qui とは違い、人を表す名詞・物を表す名詞ともに先行詞としてとることができ、関係詞節も必ず主
語+動詞から始まる(つまり、常に先行詞が関係詞節中の動詞の直接目的語または属詞を示す)ので比較的扱いやすい
関係代名詞だと思います。ただし、たとえば「それが真実であるという証拠」と言いたいときに
le témoignage que c'est vrai
 のように英語では罷り通る“内容の説明”として関係代名詞 que を用いることはできません。というのも、先行詞
le témoignage が関係詞節の中の動詞の目的語とはなっていないからです。
 こういった場合は文法の決まりがある以上仕方ないので、「それが真実であるという証拠を見せてくれ」は《Monte-
moi le témoignage que c'est vrai》と言う代わりに《Si c'est vrai, monte-moi le témoignage.》というよ
うな代替表現を用いましょう。

 いきなりですが、上の例文を qui の項で行ったように図式化してみましょう。水色の背景色で示された部分が先行
詞、アンダーラインの引かれた語句(関係詞節)が先行詞にかかり、黄色の背景色で示されたものが関係詞句(先行詞
+関係詞節で作られる一かたまりの主語または目的語)であるというのは qui の項と同じです。
L'étoile que vous avez vue
↑_________|
peut être le signe de la mort.
文の主語
(先行詞+関係詞節)
残りの文要素
 関係詞句の構成についてはそれほど難しくはありませんが、ここで一つ注目してほしいのが、関係詞節中で複合過
去時制を用いて表現されている動詞 voir の過去分詞 vu が女性形を示す e を伴っているということです。

 関係代名詞を用いた表現では、関係詞節の中の動詞は先行詞の文法上の性・数の影響を受けて変化するというルー
ルがあります。
 前項で紹介した qui の場合も、関係詞節の主語を示す先行詞が複数形であれば qui に続く動詞は複数形をとり
ますし、qui/que の関係代名詞構文において関係詞節の目的語を示す先行詞が男性単数形以外の形に属する場合は、
それに応じた文法上の性・数を関係詞節中の過去分詞にも適用してあげなければいけないのです。

 また、先行詞がなんらかの語句によって意味的に限定される場合、たとえば seul(唯一の),le plus 〜(最上
級),ne ... personne(誰も〜ない)などの言い回しを含む場合は、関係詞節中の動詞が接続法になります。

 

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◆関係代名詞 qui/que の用法で注意すべきところは

◆関係代名詞 qui には先行詞が明示されない独立用法(または ce の省略用法)というのがあるけど、
 que は指示代名詞 ce を先行詞にとって「〜するもの」という意味を示す場合でも、 ce を省略して関
 係詞節だけを独立させることはできないんだよ。

◆関係代名詞 que の用法で、関係詞節の最後に前置詞が置かれる(先行詞が関係詞節中の動詞の間接目的
 語、または状況補語になっている)ときに qui と同じように前置詞を関係代名詞の前に持ってくると、
 que は強勢形の quoi に形を変えるから気をつけてね。
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