Chapitre.24 - 分詞構文とジェロンディフ
Syntaxe du Participe / Gérondif

1. On doit sauver le captaine restant encore dans le paquebot!
まだ船の中に残っている船長を救出せねば!
2. Me payant cent francs, tu vas gagner de bonnes nouvelles que j'ai.
100フランくれたら、お前にいいことを教えてやろう。

◆現在分詞

 現在分詞は、名詞に後置されて、その名詞の動作や状態などを説明するための分詞節を作ります。この分詞節は、
一見形容詞によって作られる形容詞句と働きが似ていますが、先行する名詞の文法上の性・数の影響を受けて現在分
詞の形が変化することがない
という点と、形容詞句が前置詞を介した補語しか取れないのに対して分詞節は直接目的
語もとりうる
という違いがあります。

 例文1.がこの用法にあたります。現在分詞の restant に導かれる分詞節が、直前にある名詞 le captaine を修
飾するという構造になっています。これはちょうど、22章「関係代名詞 (1)」で解説した関係代名詞 qui の用法と
似ています。
 「まだ船の中に残っている船長」を関係代名詞を用いて表すとすれば、「船長」が先行詞になり、
le captaine qui reste encore dans le paquebot
 と訳すことができますね。現在分詞は、この関係詞句における《qui + 動詞の活用形》を形容詞的に言い換えたも
のだといえます。
 ただし、現在分詞を用いて言い換えるうえで注意が必要なのは、先述の通り「現在分詞自体の形は変化しない」と
いうことなので、たとえば「船長」の代わりに複数形で「乗客」と言いたい場合、
les passagers restants encore dans le paquebot
 とはならず、
les passagers restant encore dans le paquebot
 という風に、現在分詞は修飾される名詞の文法上の性・数の影響を受けず不変です。

 現在分詞については、辞書の動詞活用欄を見れば凡その形が掲載されていますが、1人称複数形 nous に対応する
動詞の活用形を覚えていれば、活用語尾 ons を取り去った動詞の語幹に ant を付ければよいだけなので、それぞれ
の動詞について一つ一つ現在分詞の形を覚えていくよりも1人称複数形の活用から導き出す方が手間が掛からないと
思います。
例) rester の場合、1人称複数形の活用は nous restons
    ons を取り去った代わりに ant を付けて restant

* ただし、être > étant, avoir > ayant, savoir > sachant は例外
 さて、現在分詞を用いる構文はこれだけではありません。英語の分詞構文のように、接続詞と主語とを含みこんで
副詞的な働きをする分詞節を作ることもできます。

 例文2.を、現在分詞ではなく接続詞を用いた文で表してみてください。ここでは「100フランくれ“たら”」と条
件の提示が行われているので、接続詞 si を用いて、
Si tu me paies cent francs, tu vas gagner de bonnes nouvelles que j'ai.
 とすると自然な言い方です。この文では、接続詞節中の主語と主節の主語とが一致しているので、接続詞の si と
主語の tu との意味合いが payer の現在分詞に含みこまれた形で示されます。

 では、こう考えるとどうでしょうか。例文では主節の主語を tu とし、「お前が、私の持っているよい知らせを得
るであろう」という単語の組み立て方をしていますが、主節の主語を je とし、「私がお前に私の持っているよい知
らせを与えてやろう」という解釈の仕方をする場合、接続詞 si を用いれば、
Si tu me paies cent francs, je vais te donner de bonnes nouvelles que j'ai.
 となり、接続詞節と主節の主語が異なる文章ができます。このような文章における接続詞節の《接続詞+主語》を
現在分詞に置き換えたい場合、「絶対分詞構文」という構文を用います。
 絶対分詞構文とは、元の接続詞を用いた文章において2節間の主語が異なっている場合に、接続詞節の主語を分詞
節の前で明示することによって、同一の主語でないことを示す構文のことをいいます。言葉だけで説明してもなかな
かイメージが掴みにくいかと思うので、実際に上の接続詞節の主語が tu 、主節の主語が je である場合の文章を
現在分詞を用いて訳してみます。そうすると、
Toi me payant cent francs, je vais te donner de bonnes nouvelles que j'ai.
 となります。接続詞節の主語であった tu が、現在分詞の前で主節の主語 je と異なっているということを示す
ために生き残っていますね。
 通常名詞の場合は現在分詞の前にそのままの形で現れるので問題はありませんが、tu などの人称代名詞の場合は
強勢形で現在分詞の前に置かれるので注意してください。

 副詞節的な働きをする現在分詞は、主な接続詞として quand(〜するとき、〜すると), si(〜すれば), car
(〜なので)、quoique(〜にもかからわず)、tandis que(〜であるのに)などの意味合いを含みます。

 

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Vêtu d'un habit fait par un modéliste capable, je ne vois que mon sous-vêtement.
有能なフッションデザイナーが拵えた衣服に身を包んでいるというのに、私にはパンツしか見えない。

◆過去分詞

 過去分詞も、名詞に後置されてその名詞を修飾する形容詞句的な分詞節を作ったり、接続詞と主語とを包含した副
詞句的な分詞節を作ったりするという点では現在分詞と同じです。

 現在分詞との違いとして、過去分詞は主語の受動・状態などを示します。また、修飾される名詞の文法上の性・数
の影響を受けて形が変化します。

 例文では、最初の過去分詞 vêtu が副詞的な働きを、次の fait が形容詞的な働きをしています。すなわち、vêtu
は譲歩を表す接続詞 quoique と主語 je の意味合いを包含しているので、例文を過去分詞を使わずに書き直せば
Quoique je sois vêtu d'un habit qui a été fait par un modéliste capable, ....
 のように接続詞節の中に関係詞句が存在しているという状態になりますね。

 構文の面では理解してもらえたことと思いますが、やはり意味的な説明もしておかなければいけません。vêtu と
いうのは辞書で引いてもらっての通り、vêtir(服を着せる)の過去分詞で、不定詞が「服を着せる」という意味を
持つのに対し、過去分詞 vêtu は助動詞 être と前置詞 de とを伴うことにより《être vêtu de 〜》の形で「〜
を着せられ(てい)る」となり、そのままではぎこちない訳となるために「〜を着ている」と解釈されます。

 同じく、fait は faire(作る、拵える)の過去分詞で、不定詞が「拵える」という意味を持つのに対し、過去分
詞 fait は助動詞 être を伴って《être fait》の形で「作られる」という意味になります。

 このような受動的な意味、または状態的な意味を含んだ分詞節を過去分詞は構成します。
 しかし、例文にもあるように、どうしていきなり過去分詞から文章を始めることができるのでしょうか。その答え
は、受動態の表現を構成する助動詞 être にあります。
 例文はもともと
Étant vêtu d'un habit étant fait par un modéliste capable, ....
 のように être の現在分詞 étant を使った現在分詞の構文でした。が、受動的な意味を表したい部分に遭うたび
に étant を使うと文章を煩雑にさせてしまいます。そこで、現在分詞の étant は省略としてもよいという規則が
でき、結果的に過去分詞だけが示されることになったのです。

 現在分詞 étant の省略は、助動詞に être をとる動詞の現在分詞複合形においても行われます。

 

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J'ai commis le crime en se mettant en colère.
カッとなってやった。

◆ジェロンディフ

 ジェロンディフは、前置詞 en と現在分詞の組み合わせで示され、分詞節と同様、接続詞と主語の意味合いを含み
こんだ副詞句的な節を作ります。

 ただし、現在分詞や過去分詞のように名詞にかかるという形容詞句的な働きをする節を作ることはできず、また、
接続詞を用いた文章の2節間の主語が異なる場合、現在分詞や過去分詞では「絶対分詞構文」という構文によって書
き換えることができますが、ジェロンディフでは主語が同一の文章しか書き換えることができません。
 つまり、ジェロンディフを用いた節の主語と、主節の主語は常に一致します。

 また、ジェロンディフには複合形がなく、《en ayant/étant+過去分詞》という形は日常会話に置いては使われ
ません。(古くは稀に使われる場合があったそうです。)
 では複合形はどうやって表せばよいのかというと、もともとの《en + 現在分詞》の形でよいのです。この形で、
現在の内容についても過去の内容もついても叙述することができます。

 ジェロンディフを用いる上での注意点はまだまだあります。
 ジェロンディフ節は分詞節と同様に、さまざまな接続詞と主語との意味合いを含みこみますが、原因を示す節では
en étant(<être), en ayant(<avoir), en pouvant(<pouvoir) の3つのジェロンディフは使えません。


 それから、ジェロンディフの直前に強調のため tout を付加することがあります。これは、2節の「同時性」と
「譲歩」の意味合いが混ざっている様子を強調する
もので、「〜しながらでも」「〜しつつも」「〜ながらも」とい
ったニュアンスを演出します。詳しくは「もっと例文!」6,7番目を参考にしてください。

 

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◆現在分詞と過去分詞の違いは  現在分詞・過去分詞とジェロンディフの違いは  という点にあるよ。

◆分詞節・ジェロンディフ節を否定したい時は(あまり否定形にすることはないけど)、現在分詞・過去分
 詞の場合は分詞を(直接・間接目的語が先行する場合はそれも含めて)、ジェロンディフの場合は en +
 現在分詞(直接・間接目的語が先行する場合はそれも含めて)を否定語で囲めばいいんだよ。
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