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2005年11月19日 (土)

帰り道、後ろからふらふらと歩いてきた50後半ぐらいのおっちゃんが、 「南はこっちの方角で良かったんかな?」と訊いてきたので、「ああ、合ってますよ」と答えてあげた。 するとそのおっちゃん、とんでもないことを次に口走りだすのだ。 「わしな、門真から歩いてきてな、和歌山まで歩いて帰るとこなんやけどな」

大阪や近畿に馴染みの無い方のためにフラットに言い換えると、 16kmぐらい歩いてきて今に至り、更に65km歩いて家に帰るのだそうだ。 これはどう考えても在り得ない。

で、俺が態とらしく「はぁ〜、それは凄いですねぇ〜」なんて驚いていると、 次に放たれたおっちゃんの一言、これが決定的だった。

 

 

 

「そんでな、わしな、腹ペコやねん。ニィちゃん、パン2個ぐらいでえぇからおごってや」

 

 

 

実に巧妙な手口である。だがしかし、節約キャリアの長かった静月乃が、 見ず知らずのおっちゃんのために財布の紐を緩めるとでもお思いか。いや、そんなことは在り得ない。

「あぁすんません、今持ち合わせ無いんですよ、帰りの電車賃ぐらいしか」

咄嗟に誤魔化す俺。おっちゃん、しゅんとした表情で「あぁそう、ありがとうな」と言い残し南へ。
たぶんまた、ぐるっと別の道から北に引き返して金持ってそうな他の人に同じ手口で食い物をせびるのだろう。まあ天使は現れないとは思うが、大阪人には見え透いた嘘が何気に笑えたので、頑張ってほしい。